会長挨拶 株式会社大林組 内藤 明

ダム工事総括管理技術者会 会長 内藤 明

 第三七回総会で承認いただき、会長に就任いたしました株式会社大林組の内藤です。引き続き、よろしくお願いいたします。

 さて、今年四月から建設業にも適用された、ダム建設現場における罰則付きの時間外労働の上限規制は、現場を統率する立場にあるCMEDに、多くの課題を投げかけるもので、CMED会はその解決にむけて、大きな役割を果たしていかなければなりません。「働き方改革」への取組により、実際の現場ではどのような問題が発生しているか、しっかりと会員の声を聞きながら、関係機関との解決に向けた意見交換を進めるとともに、生産性の向上につながる施工の工夫や技術開発等にも目を向ける必要があります。

 今年度のCMED会の主な活動は、地区研修会を実施し、施工現場の皆様との意見交換を通じて、「働き方改革」で現実に発生している課題を共有したいと思います。それらを国土交通省、水資源機構、ダム技術センター、建設コンサルタンツ協会との意見交換を通じて解決に向けた方策を投げかけていきたいと思います。

 今年度も、令和六年度も土木工事積算基準の改定が行われました。昨年度の一般土木を対象にした改定内容は、今年度よりダム工事にも適用が進んできました。今年度の改定内容は、交代制勤務にも踏みこむ内容となっており、今後のダム工事への適用には慎重な議論が必要です。これは、一例ですので、改定内容について、深い議論をしていく所存です。  

 一方、今月発表されたばかりのi-construction2.0では、施工現場のDXに欠かせない通信設備の整備についても言及されました。従来、ダム現場で苦しんできた通信設備の施工者側の整備による採算の悪化とDX技術の適用の遅れ等が解消される見込みとなり、我々はこれらをチャンスとして施工のDX化を進め、生産性向上をさらに前進させる必要があります。

 今年度は名前からも前向きな活動であることが理解されるように「ダム建設向上」部会を中心に様々な国交省他の施策を追い風にし、CMEDが現場で活躍し、適正利益を上げることで、所属会社からも評価されることを目指した活動を進めてまいります。また、「CMED技術研鑽」部会では、ダム技術者の技術の研鑽に資する活動を行い、発注機関や大学を含めた技術者の育成支援や広報活動にも取り組んでまいります。さらに、今年度から活動する「CMED会運営検討」部会では、今後の会員数の減少や高齢化への対応、時代に即したCMED会活動への変革を目指していきます。

 皆様が様々な活動を通じて、立場を超えた議論をし、お互いに支えあえるCMED会になるよう努めてまいります。ご協力とご支援を賜りますよう、お願いいたします。

ダム工事総括管理技術者会 会長 内藤 明