【さ】
再開発
既存のダムを有効利用し、貯水容量を増やしたり、取水設備、放流設備、堆砂放流設備等を増設、改良して治水、利水機能の強化を図るもの。
例えば、①既設堤体の嵩上げ②下流に新設して既設堤体は水没あるいは除去③貯水池掘削などによる容量確保④取水塔、取水堰の改築または新設などがある。
【し】
仕上げ掘削
ダム基礎地盤の掘削は、掘削線付近の基礎地盤に損傷を与えないように施工するため、掘削面から0.5m程度を、発破を使わず人力やツインヘッダー等により丁寧に掘削する部分で、通常粗掘削とは分離して堤体の盛立または打設前に行われる。
試験湛水
本体が完成したダムの安全性や貯水機能を確認するために実際に水を満水位まで貯めて、ダム本体、放流設備、貯水池周辺等の安全性を確認する試験。
地盤検査
岩盤検査と同義。コンクリートダムでは打設前にフィルダムでは盛立前に行われる基礎地盤の確認検査。検査官は原則として河川管理者となる。主に農政局発注のダムでこう呼ばれる。
振動目地切機
RCD工法などの面状工法により打設されたコンクリートに、振動を与えながら鋼板を打ち込む方法で横継目を造るための機械。
[関連項目]
・RCD工法
・面状工法
・横継目
敷モルタル
コンクリート打設前に打込み場所に敷き均すモルタルのこと。新旧コンクリートの打継目における付着を確実にし、打ち込んだコンクリート面に豆板ができるのを防止する。
[関連項目]
・打継目
重力式コンクリートダム
堤体自身の重量により、作用する水圧、土圧、地震力などの外力に抵抗し、安定を保つ型式のダムのこと。
竣工式
工事の竣工を祝い行われる式典。発注者、工事関係者、地権者、地元関係者等が招かれる。ダム工事の最後に行われる大規模な式典。
上流仮締切
堤体建設工事区域へ河水の侵入を止め、仮排水路へ水を導くために、上流側に築く構造物。締切堤の天端標高は、河流処理対象流量を転流工が呑み込むために必要な水位に余裕高さを加えて決められる。フィルダムの場合、本体施工の盛立試験と位置付けて施工する場合が多く、仮締切堤の一部または全部を本体に取り込む場合もある。
振動ローラ
ローラを垂直に振動させることにより転圧し、締固めを行う機械。フィルダムの盛立材の転圧またはRCDコンクリートの締固めに用いられる。
章動ローラ
ローラを水平に振動させることにより締固めを行う機械。水平振動ローラとも呼ばれる。
【す】
捨石工
ロックフィルダムのリップラップ工による法面保護工の一つ。岩石材料を使用する法面保護工には、捨石工と張石工がある。捨石工はダンプされた材料を、ブルドーザ、バックホウ等で所定の位置に配置する方法で間詰めなどを行わない。
[関連項目]
・張石工
スラリークレイ
粘土、シルト分が卓越した粘性材料に水を加えスラリー状にしたもの。フィルダムの遮水ゾーンを施工する際、コンタクトクレイまたは着岩コア施工直前に、人力により岩着面に1~5mm厚で塗布する。
[関連項目]
・フィルダム
・コンタクトクレイ
スライドフォーム
ダム工事におけるコンクリート型枠は、コンクリート打ち上がりに伴う移動に対して容易に取り扱いできることが必要で、そのため順次上方へスライドさせることができる鋼製の型枠をスライドフォームという。
スライド型枠
コンクリート面と接するメタルフォームと縦バタ、横バタを組合せた鋼製型枠。ダム堤体の上下流面、洪水吐の型枠に主に使用される。縦バタをシーボルトと呼ばれる固定ボルトで下部の既打設コンクリートに固定してコンクリートを打設し、脱型して上部にスライドしながら移動する。
スリップフォーム
コンクリートを打設しながら移動していく型枠の総称。ダム工事ではCFRD(コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム)や洪水吐インバートの斜面部の打設で使用される場合が多い。
ストックパイル方式
主にフィルダムの遮水材料で含水比、粒度等の調整が必要な場合に、複数の材料をストックヤードに層状に仮置きし、搬出時に混合・調整して使用する方法。
[関連項目]
・フィルダム
【そ】
造成アバットメント
従来は掘削して除去していた堤体アバット部の基礎地盤の低固結層を残したまま,コンクリート躯体による人工岩盤を造成する工法。自然環境の改変が少なく,地山の掘削量,残土処分量などを減らすことができるためコスト縮減も期待でき,景観・環境上も効果的である。
ゾーン型フィルダム
水をせき止める土質材料(コア)を芯とし、水の力を受け止める岩(ロック)を外側に配置したフィルダムの形式。基礎面積が広いために軟弱な地盤でも建設可能。
[関連項目]
・フィルダム