【か】
重力式コンクリートダムで複数ブロックを一度に打設して、打設区間内の横継目を埋設鉄板や打設後または打設中に設け、堤体を面状に仕上げる工法。
RCDダムにおいて打設される、上下流面と横継目型枠に接触する有スランプコンクリートの部分。
水中ポンプを据えるための窪みまたは水槽等の設備。
ダム本体工事を施工するために仮設構造物を造り、工事施工個所をドライにすること。その方法は仮排水路方式と半川締切方式があり、施工個所の地形、河流処理流量、施工方法を含め総合的に検討される。
[関連項目]
・仮排水路方式
・半川締切方式
ダムサイトの河流をバイパスするために設けられるトンネル。フィルダムや処理流量の多いコンクリートダムで作られ、ダム本体工事完成後閉塞される場合が多い。
[関連項目]
・閉塞工
ダムサイトへの河流の進入を防止する仮設構造物で、上流側及び下流側に設けられる。上流締切は、フィルダムでは土質材料を使ったフィルタイプが多いが、コンクリートダムでは越流を見込むためコンクリートタイプが多い。下流締切はコンクリートタイプが多い。
ダムの基礎地盤とリム部地盤の遮水性改良を目的とした孔長の比較的長いグラウチング。ダムの基礎岩盤の上流から下流への漏水を遮水する目的で、ダム軸方向にカーテン状に施工される。
[関連項目]
・グラウチング
ダム堤体が岩盤と接触する部分で遮水性において非常に重要な個所で、使用材料、施工方法は標準部と区別して、より入念な施工が行われる。
ダム堤体内及び基礎地盤へ設けられる通路で、完成後の監査、計器測定、グラウト作業等に利用される。通廊またはギャラリーとも呼ばれる。
堤体コンクリートの種類で上下流面に使用され、特に耐久性、水密性が求められる。
河流処理方法の一つで、仮排水トンネル、仮排水開渠、堤内仮排水路を使って河流処理を行う方式。国内のダムのほとんどがこの方式で施工されている。
岩盤と接する個所へ使用されるコンクリートで、配合は外部コンクリートと同等な場合が多い。通常打設リフト厚の1/2(ハーフリフト)で数回打設される。
ダム基礎地盤の等級を表す区分でいくつかの区分方式がある。A級からD級に分けられるのが一般的であり、C級は細区分してCH、CM、CLに分けられる。ダム基礎の掘削線の決定及び掘削工法の選定の判断基準とされる。
コンクリートダムでは打設前にフィルダムでは盛立前に行われる基礎地盤の確認検査。検査官は原則として河川管理者が行う。
【き】
フィルダムの型式一つで、堤体の大部分がほぼ1種類の土質材料(遮水材料)で構成されたもの。アースフィルダムとも言われる。
堤体の上下流面に設けられる鋼製の作業用の水平通路。
ダム基礎地盤の強度と遮水性改良のため施工される処理。グラウチング、コンクリート置換、連続地中壁などがある。
[関連項目]
・グラウチング
【く】
移動式クレーンのうちキャタピラで移動するタイプのクレーン。ダム工事においては中小規模のコンクリートダムや洪水吐コンクリートの打設設備として使用される。
コンクリートの表面に発生する亀裂の総称。温度応力や乾燥収縮が原因で発生する場合が多い。コンクリートを打設する際は、クラックの発生防ぐため様々な対策が講じられる。
掘削ズリのオーバーサイズをカットする設備で、レール等の鋼材を等間隔で斜めに組み、上部からズリを投入してふるい分ける。ダム現場では原石山、コア山に設置される場合が多い。
ダム基礎地盤の止水性及び強度の改良を目的に注入することで、コンソリデーショングラウチング、ブランケットグラウチング、カーテングラウチングなどがある。注入材としてはセメントミルクが一般的。
[関連項目]
・コンソリデーショングラウチング
・ブランケットグラウチング
・カーテングラウチング
コンクリート材料または打ち込み後のコンクリートを冷やして温度規制を行い、温度応力によるクラックの発生を防止する事。方法はプレクーリング、パイプクーリングがある。
[関連項目]
・プレクーリング
・パイプクーリング
コンクリート上面を薄く削り取りレイタンスと呼ばれる微粒分を除去すること。コンクリートが十分固まっていない段階で、圧力水やワイヤーブラシなどを用いて行う。
【け】
ダムサイトの両岸を固定点としてケーブルをはり設置されるクレーンで、コンクリート打設、放流設備の据付、ダム建設用資材を堤体内へ搬入などに使用する。両端の固定方法により、両端走行式、片側走行式、両端固定式がある。ワイヤーロープにより移動させるものに、軌索式、ブライドル式、H式がある。
建設工事請負契約者である社長、支店長等の代理人として現場に赴任し現場の指揮を行う者。ほとんどの場合、現場作業所の所長を兼ねる。
ダムの洪水吐を流下する水の勢いを弱めて、下流河川への洗掘等の悪影響を防止するためにダムの直下流に設けられる構造物。
盛立材料やコンクリート骨材を採取する山。ダムサイトからの距離、材料の適否、環境への影響等により決められる。
【こ】
ダムの堤体に使用される代表的な材料は土石とコンクリートであり、前者により築造されるものを総称してフィルダム、後者をコンクリートダムと呼ぶ。コンクリートダムはさらに設計原理により重力式、アーチ式、中空重力式、扶壁式(バットレス)等に分類される。
[関連項目]
・フィルダム
・重力式(重力式コンクリートダム)
・アーチ式(アーチダム)
・中空重力式(中空重力ダム)
ゾーン型フィルダムの遮水ゾーンに使用される材料。透水係数が1.0×10-5cm/s程度以下で浸透水に対する抵抗性が高く、施工性の良いものが望ましい。単一の材料で所要の性質を得られないときは、複数の材料をストックパイル方式により混合し、求める品質となるように調整して使用する。
[関連項目]
・ゾーン型フィルダム
・ストックパイル方式
フィルダムの遮水ゾーンの盛立て材料として、岩盤やコンクリート表面との接触部に用いられる細粒の土質材料。
コンクリートダムまたはフィルダム洪水吐の基礎岩盤の比較的浅い部分の割目を、セメントミルク等の注入材料で充填することにより、ダム基礎の変形を抑制し、支持力を増加させ、止水性を高める事を目的とするグラウチング。
[関連項目]
・コンクリートダム
・グラウチング
堤体コンクリートの種類で堤内構造物(監査廊、放水路、エレベーターシャフト、機械室等)の周囲に鉄筋コンクリートとして使用され、強度、変形特性、施工性が求められる。
機械の故障、突然の降雨などによりコンクリートの打設を中止し、そのためにあらかじめ計画していない箇所に生ずる打継目。