【ら】
コンクリートダムの非常用洪水吐越流部頂部やフィルダムの洪水吐越流部頂部が、通常の直線構造でなく、ラビリンス型(波型)となっている構造の自由越流頂をいう。ラビリンス型自由越流頂構造を採用することにより、通常の直線型越流構造に比べて単位幅当りの流量がおおきくなり、洪水流量の大きなダムに有効である。非常用洪水吐部分にラビリンス自由越流頂構造を採用したコンクリートダムには、苫田ダムがある。
【り】
ロックフィルダムの上下流法面に施工される粒径の大きいロック材のこと。ロックフィルダムの上流面は気象や波浪の影響、下流法面は気象の影響を受けやすいので、耐久性のある良好な材料を用いて法面を保護する。
[関連項目]
・ロックフィルダム
コンクリートダムにおける本体コンクリートの打設工程計画のこと。気象条件により算定される月別打設可能日数、コンクリート製造・運搬設備の規模、その他の制約条件を加味して作成されたコンクリートの打設月日毎の打設個所を表にしたもの。
[関連項目]
・コンクリートダム
カーテングラウチングのうち、ダム堤体敷き両端外側の部分をリムグラウチングと呼ぶ。リムグラウチングの施工は、地表又はリムグラウチングトンネルから行うのが一般的である。カーテングラウチング同様、地山の遮水性を高め、貯水池からの漏水を防ぐことを目的とする。
[関連項目]
・カーテングラウチング
【る】
水頭100mに相当する圧力0.98MPaでボーリング孔内に水を注入したとき孔長1mあたりに1分間に注入される水のリットル数として定義される。ルジオン値の単位はリットル/(m・min・0.98MPa)となり、基礎地盤の透水性を表す指標となる。
ルジオンテストにより求めたルジオン値をもとに、既存の地質資料に基づいて構築した水利地質構造を踏まえ、基盤の透水性分布を総合的に解析した結果を、ダム軸あるいは止水線沿いの断面図にわかりやすく表示したもの。ルジオンマップは、堤体基礎掘削線の深度の決定およびグラウチング計画などに必要な資料である。
【れ】
フィルダムの盛立て時に上の層とのなじみをよくするため、平滑な締固め面の表面をかき起こすこと。
[関連項目]
・フィルダム
縦継目を設けずに横継目のみによってブロックに分割してコンクリートを打設する工法。柱状ブロック工法が上下流ブロック間の高低差を2リフト〜8リフト(3m〜12m)設けながら打設しているのに対し、上下流ブロック間に高低差を設けずに打ち継いでいくため、安全性にすぐれた工法である。
[関連項目]
・柱状ブロック工法
ベントナイト等の安定液を注入しながら壁状に掘削し、鉄筋もしくは鋼材を挿入した後にコンクリートを打設して連続して地中壁を構築する工法。仮設工事の土留め壁、止水壁、地下構造物の本体利用壁、橋脚の構造物基礎、ダム基礎地盤における止水壁等幅広い用途で用いられる工法である。
【ろ】
荷重を計測するため、荷重の変化を電圧に変換して出力するセンサーでひずみゲージとも呼ばれる。
フィルダムの透水ゾーンを構成する材料。ロック材は堅硬かつ耐久的であり、透水ゾーンの機能を満足するよう、設計条件に対して所要のせん断強さと排水性を有するものでなければならない。
[関連項目]
・ロックフィルダム
・コア材
・フィルター材
フィルダムの型式の一つで透水ゾーンがロック材で構成されたもの。ゾーン型フィルダムのうち中央部に遮水を受け持つ遮水ゾーンを持つタイプ(中央遮水壁型フィルダム)が多いが、上流側の堤体表面をコンクリート、アスファルトなどで遮水するタイプ(表面遮水壁型フィルダム)もある。
[関連項目]
・フィルダム
・ロック材
・コア材